茨城県つくば市の鍼灸治療院 はり処 温篤-ontoku-

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診察する事とは…

2021年03月10日

当院の現在の予約は勝手ながらこちらで時間の枠を作っており、お手数ながらその枠の時間に合わせて予約を取って頂いております。

ですので、初めての患者さんには、問診に時間がかかったり、道に迷ったり、治療後の身体の説明が必要だったり、様々な方がいらっしゃるため2枠続けて取って頂いております。

しかし、web予約のサイトがイマイチ分かりにくいためか後の予約が入っている枠に予約が入ってしまう事が多々あります。(分かりにくく申し訳ないのですが、初めての方には伝えるすべがみつからず検討中です)

 

先日電話にて「2枠分も時間が取るのが難しく、自分の症状が適応するのか分からないので、治療は後日で構わないので、診て欲しい」と言われました。

初めてのケースだったのでこちらの旨をうまく伝えられず結果キャンセルとなってしまいました。

電話を切った後、どのように伝えるべきだったのか、何が適切だったのか反省し、自分なりの結論が出ました。

それが『診察』の意味だったのです。

 

診察とは一般的に「病状・病因などを判断するために患者の体を調べること」という意味になるのですが、当院の用いる東洋医学的治療における診断とは、もちろん問診という患者さんの言葉によって病状を把握するのですが、他にとても大切な脈診というものがあります。

この脈診により、患者さんの身体がどういう状態にあるのか、どこに鍼を施すべきなのか、予後はどうなのか、そして、『鍼をした事により患者さんの身体がどう反応していくのか』等々を診ていきます。

結局、一本鍼をして脈を診て、その反応具合も含めて次の鍼をして、と行っていくと治療が終了してしまうのです。

患者さん側からする診察とは、おそらく話を聞いたり身体を触ったりというのが診察なのでしょうが、そこに齟齬があったのかもしれません。

よく「◯◯な症状なのですが、良くなりますか?」とか「◯◯な症状なのですが、治療できますか?」という問い合わせを受ける事がありますが、うまく回答できていなかったのは、そこがうまく説明できていなかったからかもしれません。

東洋医学は病名治療ではなく随証療法なので、身体を診る事、脈を診る事、鍼をする事なしにはどっちと言うのが難しいのです。

(随証療法については話が長くなり過ぎてしまうので、またの機会で御了承ください)

救急なものや命に関わるもの以外の多く症状は治療の対象となると思いますので、興味のある方はどうぞご検討ください。

ただ私の経験からや他の方の臨床報告から等を鑑みて、「そういう症状も良いと思います」とか「そういう症状も治療できます」と答えていますが、初めて電話でお話しする患者さんが、「鍼灸にどの程度ご理解があるのか?」「今までの経過の状況はどうなのか?」「現代医学的に診てどうなのか?」etc…を一瞬で判断するのは難しく感じています。

私の役割は鍼灸を用いて患者さんの病苦を除去していく事も一つですが、鍼灸に対する普及啓蒙も役割の一つを思っています。まだまだ精進が必要と反省致しました。

 

 

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